上越教育大学 同窓会ホームページ

学長からのメッセージ

上越教育大学長 林 泰成

 令和3年4月1日付けで、第9代学長に就任しました林泰成と申します。同窓生の皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
 上越教育大学は開学以来、学部教育と大学院教育の双方で、有為な教員の養成に携わってまいりました。その成果は、皆様の学校現場でのご活躍によって明らかであると私は思っています。
 しかし、近年、教員養成系の大学・学部はどこも非常に難しい状況にあります。それにはいろいろな理由があります。ひとつには、子どもの数が減っていることと、それに伴う教員採用数の減少にあり、またひとつには、教職がとてもブラックな仕事であるかのようなイメージを持たれていることにあります。
 前者に関連しては、先日小学校における35人学級についての文科大臣発表がなされました。教員数の確保につながるばかりか、余裕を持った教育の実践にもつながることですので、歓迎したいと思います。
 後者に関しては、マスコミの報道によるところが大きいのではないかと思いますが、しかし同時に、教員の業務量が実際に増えているとも思います。文科省は、先生方の働きかたの工夫を集め、世間に知らしめようと、「#教師のバトン」プロジェクトを始めましたが、期待とは裏腹に、教職がいかに大変かという書き込みが増えているようです。
 教職はたしかに大変な仕事です。けれども、教職には、未来社会を担う人材を育成するという醍醐味があります。新潟県には、「米百俵」というエピソードもあります。戊辰戦争で敗れ、苦境の中で見舞いの米百俵を受け取った長岡藩士の小林虎三郎が、それを配布してほしいといきり立つ藩士を前に、「だからおれは、この百俵の米をもとにして、学校を立てたいのだ」(山本雄三『米百俵』新潮文庫より)と述べたそのエピソードの精神を大切にして、私たちも、未来を担う子どもたちの教育に携わりたいものです。
 私は自分自身が大学生のときに、文学部で教職課程を履修して中高の社会科の教員免許状を取得しました。そのときの学びを本学における教職の学びと比べると、格段の違いがあります。本学の教育は、実践的でとても丁寧です。それはおそらく、開放制で設置された教職課程と教育大学の教職課程の違いだと思います。だから、上越教育大学で学んだ同窓生の皆さんは、自信をもって教育の仕事に取り組んでいるものと思いますし、これから卒業・修了する学生の皆さんにも自信をもって教育の仕事に邁進していただきたいと思います。
 私は、本学を「教師になるなら上越教育大学へ行こう」と思ってもらえるような大学にしていきたいのです。そう思ってもらえるように、同窓生の皆様には学校現場でご活躍いただきたいと思います。また、教職には就かなかった同窓生の皆様にとっても、教育大学での学びは、日常生活のさまざまな場面で活かせるものだと思いますので、本学への愛校心を持ち続けていただきたいと願っています。

 (令和3年4月)