上越教育大学 同窓会ホームページ

学長からのメッセージ

上越教育大学長 佐藤 芳コ 

 同窓会の皆様にはお元気で各方面にて御活躍のことと思います。
 平成25年4月から学長に就任いたしました 佐藤 芳コ です。
 本学では、初等教育の教員養成を目的とした学校教育学部において、教員としての高い資質能力を修得した卒業生は約5,400名に達し、全国の教育現場で活躍しています。また、大学院において、教育専門職として高い授業力や学級経営等の教育実践力を獲得した修了生は約 6,500名に及び、教育現場における指導的立場で教育に携わっています。
 今後様々な大学改革が求められる中、教員養成を取り巻く状況も一層厳しさを増してきますが、本学の目的である優秀な教員の養成と現職教員の再教育に教職員一丸となって取り組み、学校現場の皆様からの期待に応えるべく力を尽くしていきたいと思っており ます。

 さて、一昨年の政権交代後、教育に関する様々な答申や提言等が出されています。例えば、政府の教育再生実行会議では、いじめ問題等への対応について、教育委員会制度等の在り方について、これからの大学教育等の在り方についてなど、矢継ぎ早の提言をまとめています。日本の教育は大きな転機にさしかかっているといっても過言ではありません。教育に関する関心が高まることは大変良いことですが、教育に携わる一人一人が確かな信念を持たないと社会の趨勢に流されてしまう危険もあります。
 平成25年11月には国立大学改革プランが公表され、大学の機能強化のための方策として、社会の変化に対応できる教育研究組織づくり、国際水準の教育研究の展開などが示されました。また、12月には本学のミッションの再定義も公表されています。本学は「大学院(現職教員再教育)重点化を目指す大学であり、大学院における現職教員の再教育を行う中核的な機関として、学校現場に密接に関連した実践的な教育研究を行うことを基本的な目標とする。また、(中略)教員養成大学としてそれぞれの課程・領域で得られた知見・成果を踏まえ、教育委員会との連携により、教員養成の質的転換と研修機能の機能強化を図るものとする。」とされています。このことは、既に制定してあった本学大学憲章の理念とも整合しており、皆さんが本学で学ばれた教育方針や内容とも合致するものです。
 ところで、昨年プロ野球の東北楽天ゴールデンイーグルスが日本シリーズで読売ジャイアンツを破り、日本一になりました。楽天イーグルスの本拠地は仙台であり、東日本大震災から立ち上がろうとしている人々にとって大きな励ましになったことと思います。たかが野球、されど野球。どんなスポーツでも同じだと思いますが、一つの試合の中に多くのドラマや教訓があります。野球の試合では、初回に大量失点してしまっても、徐々に盛り返して逆転で勝利することもあれば、その逆もあります。一つの作戦や決断がチームを勝利に導くこともあります。うっかりミスで負けてしまうこともあります。試合の中に何を読み取るか感じるかは、それぞれの経験や知識、感受性により違います。
 また、昨年流行語となった言葉に、「倍返し」がありました。かつて私の恩師は、「人は、恩は倍返ししたい、仇は三倍返ししたい、と思うものだ。しかし、いやなことをされたら、返すのはその半分くらい、と思うと世の中から争いはなくなる」とおっしゃっていました。やられたら倍返しでは、世の中から戦争はなくなりません。
 教師にとって学び続けるということは大変重要です。様々な提言等で指摘されるまでもなく、これから教師として生きていこうと決意を新たにしている皆さんは、新しいことを学び自らを高める努力を続けようと考えているに違いありません。その際、重要なことは協力です。同僚と、先輩と、後輩と協力して学び続けて下さい。また、本学とも協力関係を築いて下さい。皆さんのために本学は常に開かれています。
 本学で学んだことは、自分では気がついていなくとも大きな潜在能力として皆さんの身についていることを確信しています。そのことを誇りに、どうか自信を持って教壇に立って下さい。そして、本学で築いた絆を大切にして、健康に留意しながら、それぞれが思い描く理想の教師を目指し、学び続けてください。

                                (院生協議会誌「ぶらんこ」掲載より)